「抱っこ紐に次男、ベビーカーに長男」では無理ゲーなダンジョンの攻略方法 …とは、
東京の街に点在する「ベビーカーではたどりつけない場所を見つける」プロジェクト です。
どんなイベント でも「沢山の方に来てほしい」と主催者は言います。しかし、行けない場所には行けません。私は東京ビエンナーレ2020の開催を知り「行きたい‼」という気持ちと「でも、しんどい‼」という二つの気持ちが同時に浮かびました。
子連れでの外出は大変です。ベビーカーで移動する際「エレベーターが無い」「通路が狭い」は想定内。車道に傾きっぱなしの歩道や、とつぜん途切れる歩道、休憩するにもベンチすら見つからず、見つけたカフェはお子様NG、たどり着いた目的地は階段の上 …たとえ施設内がバリアフリーでも、たどり着くまでの道のりが大変なわけで、たどりついた頃にはHPゼロ‼ 疲れてしまって楽しめず、休むこともなくそのまま帰路へ …なーんて、これ子連れ外出のあるあるですよね。
外出で大変な思いをし「もう、お出かけしたくない。」「子供との外出は難しい。」等、ネガティブに思うことあれど、それでも毎回の困難に立ち向かう パパ・ママ は強い。例えるなら、街という〈ダンジョン〉に飛び込む〈勇者〉の様だと私は思います。
「ベビーカーではたどりつけない場所を見つける」
私は〈母〉という立場で、このプロジェクトに取り組みます。街に散らばる「困難な場所」を見つけ攻略法をシェアすることで、我々が「通れる道」「たどり着ける場所」が広がるはずです。そして〈作家〉として、 乳幼児育児の当事者以外にも広く伝わる様な作品として仕上げたいと思います。(2019.秋)
藤原佳恵 Kae Funiwara
1987 年 秋田県大館市(旧北秋田郡)生まれ。
2010 年に女子美術大学を卒業後、2012 年に東京造形大学大学院を修了。2013 年度東京芸術大学壁画第一研究室研究生。
「たとえばプランクトン」(2012/東京)
「オーロラドロップス」(2014/秋田)
「比内町笹館」(2016/秋田)
…他、二人展「安達裕美佳 藤原佳恵」(2011/東京)、「TORANS ARTS TOKYO」(2012/東京)、大館・北秋田芸術祭 2014、文化庁「平成27年度 文化芸術による子供の育成事業」 等。学生終了後は聴覚障害支援学校や中学・高校で美術教師として勤務。現在は子育て中心の生活しつつ、制作や子供向けの美術ワークショップを行っている。